ブラジルとオリンピック
ちょうど1ヵ月前、2016年のオリンピック開催地がブラジル・リオデジャネイロに決定しました。
「オバマ、サパテロ、ハトヤマ、みんな申し訳ない。自分だけこんなに喜んで」
ブラジルのルラ大統領は記者会見でそうおどけたそうです。オバマ大統領や鳩山首相は皆さん良くご存じでしょうが、サパテロ氏はスペインの首相。そう、この3人はリオと最後まで開催地を争ったシカゴ(アメリカ)、マドリッド(スペイン)、東京(日本)のトップリーダーであり、2016年の開催地が決定されたコペンハーゲンでのIOC総会にルラ大統領と共に出席していました。
ライバル3人をねぎらいつつ会見場を笑わせた後、ルラ大統領は次のように語りました。
「でも自分たちは、今までずいぶんと悲しい思いもしてきたんだから、権利はある」
ルラ大統領のリーダーシップの下、政治的にも安定しており今やBRICsの中でも最優等生と称されるブラジルですが、長く貧困と混乱がこの国を支配していました。
ルラ大統領も貧困層の出身で7歳のころ、生地であるブラジル北東部のペルナンブコ州から家族でサンパウロ州に移住したそうです。そして、12歳で最初に得た仕事は日系人が経営するクリーニング店(アメリカもそうですが、なぜか日系移民の方が異国の地でクリーニング屋さんになるケースは多いようです)のお手伝い。ここから彼は働きながら学校へ通い、その後労働組合のリーダーとして名を上げ、最終的に一国の大統領まで「成り上がり」ました。
ですから、ブラジルの発展にかける思いは非常に強く、国内で80%という高い支持率を得ています。
2014年にはFIFAワールドカップ、そしてその2年後にはオリンピック。強いリーダーの下、ブラジルは2つのビッグイベントを手にしました。しかし、それは同時に失敗を許されない「危険な賭け」でもあります。
「睡眠時間を削り、もっと考え、働き、働き、働かなくてはいけない」
スポーツの二大祭典を立て続けに開催することへの意気込みをそう語ったルラ大統領。どこまでも熱く、そしてどこまでも強いリーダーを先頭に、ブラジルはどこまで走り続けることができるでしょうか?
危ういと思いつつも、ちょっとうらやましい気がします。
