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闘魂と真実

週末ですので、恒例の書評を。

僕の世代ぐらいまでですかね、プロレスに夢とロマンを抱いていたのは。

小学2年ぐらいからでしょうか、夢中になってプロレスをTVで観ていました。多分、ほとんどの人がそうだったと思いますが、ジャイアント馬場かアントニオ猪木か、と問われれば、僕は猪木派であり新日派でした。

そして佐山タイガーマスクの登場。完全に虜になりましたね。

それから梶原一騎氏の『プロレススーパースター列伝』にハマり、タイガーが強いのは本当にメキシコの「虎の穴」で電流が流れている鉄板のリングで練習していたからと思っていました。ブッチャーの地獄づきだって、4000人も弟子のいる(なぜか)シンガポールの)空手の師匠から伝授されたものと信じていました。

それが、タイガーが欽ちゃんの番組でマスクを取った頃からちょっとアヤしいなと思うようになりました。

それでもやっぱりプロレスが好きでした。アントニオ猪木の存在はそれほど大きかったのです。

この本はそんな日本のある世代の男性を間違いなく虜にした男の話です。数ある「猪木本」の中でも最も秀逸だと思います。

実際に猪木が生涯で戦った「リアルファイト(真剣勝負)はあのアリ戦を含め3試合を言われていますが、その3試合と「フィックスドマッチ(筋書きのある戦い)」であるルスカ戦にフォーカスして、「1976年の猪木」を浮き彫りにしていきます。

高校の頃、全部ビデオで観ましたが、ルスカ戦が一番面白かったな。そう考えるとやっぱりプロレスが好きなんだと思います。

今のプロレスはどうも好きになれない理由がこの本を読むと分かる気がします。プロレスは確かにフィックスドマッチかも知れませんが、あの頃のプロレスは今と違って、社会とリアルファイトしていたと思います。その中心にいたのが、アントニオ猪木だったのではないでしょうか。

その後の生き様含め、これほど規格外の人はいませんからね。プロレスを好きじゃない人にも一度読んでみて欲しいな。